近年、歯の健康が脳の健康に密接に関与していることが明らかになってきました。特に奥歯の喪失は、認知機能の低下や脳の老化を促進する可能性が高いことが、研究によって示唆されています。
奥歯喪失と脳の老化の関係
2022年、国立長寿医療研究センターの研究グループは、老齢マウスの奥歯を抜歯し、3ヶ月後の脳の状態を調査しました。その結果、奥歯を失ったマウスは、以下の脳機能の低下が顕著に観察されました。
- 自発行動量の減少
- 空間記憶能力の低下
- 運動協調性の低下
さらに、脳の海馬や視床下部において、神経細胞や神経栄養因子の減少、アストロサイトの増加が確認されました。これらの変化は、認知症の発症リスクを高めることが知られています。

なぜ奥歯の喪失が脳の老化に繋がるのか?
奥歯には、食物をしっかりと噛み砕き、消化を助ける役割だけでなく、脳への血流を促進し、脳機能を維持する神経伝達物質の分泌を促す役割もあります。奥歯を失うと、これらの役割を果たすことができなくなり、脳の機能に悪影響を及ぼす可能性があります。
奥歯を失わないために
厚生労働省の調査によると、40代後半以降、歯の本数は徐々に減少していきます。80代前半になると、平均で15本程度まで減ってしまうというデータもあります。
歯を失わないためには、以下の対策が重要です。
- 定期的に歯科検診を受け、虫歯や歯周病を早期発見・早期治療する
- 適切な歯磨きを行い、口腔内を清潔に保つ
- バランスの良い食事を摂る
奥歯の健康を守ることは、脳の健康を守り、認知症を予防するためにも重要です。 日々の生活習慣を見直し、歯の健康に意識を向けていきましょう。
参考資料
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