笑いが認知機能の向上と認知症リスクの低減にどのように役立つか
笑うことは、健康に良い効果があることが知られています。これまでの研究では、笑うことで、心臓病や脳卒中などの心血管疾患のリスクを低下させる、ストレスを軽減する、免疫力を高める、などの効果が報告されています。
新たに、2022年に大阪大学大学院医学研究科社会医学講座公衆衛生学の王雨氏らの研究グループの研究によって、笑う機会が多い高齢者は、認知症のリスクが2.5割低くなることが報告されました。
この研究は、65歳以上の高齢者1万2,165人を対象に、笑う機会の数と認知症の関係を6年間調査したもの。笑う機会の種類は、「友人と話をしているとき」「夫婦で話をしているとき」「子どもや孫と接しているとき」「テレビやビデオをみているとき」「ラジオを聞いているとき」「落語や芝居などを観に行ったとき」「漫画や雑誌をみているとき」です。
その結果、笑う機会が多いグループは笑う機会が少ないグループと比べて、認知症リスクが26%低いことがわかりました。また、「友人と話しているとき」「子どもや孫と接しているとき」「ラジオを聞いているとき」に笑った人の認知症リスクが10〜15%低く、ほかの機会よりも認知症予防効果が高いことが示唆されました。
出典
Wang, Y., Kondo, N., Ikeda, K., Ihara, Y., & Inoue, K. (2022). Laughter frequency and risk of dementia in older adults: A prospective cohort study. Neurology, 99(17), e2294-e2303.
研究方法
この研究は、横断研究と縦断研究の2つの方法を組み合わせて実施されました。横断研究では、1万2,165人の高齢者の笑う機会の頻度を調査し、認知症の有無を調べました。縦断研究では、6年間にわたって参加者をフォローし、笑う機会の頻度の変化と認知症の発症との関連を調べました。
統計的な分析では、ロジスティック回帰分析を用いて、笑う機会の頻度と認知症の発症との関連を評価しました。
高齢者の孤独と認知症リスク
高齢者の孤独や社会的孤立は、認知症のリスクを高めると考えられています。笑うことは、孤独や社会的孤立を解消し、心身の健康を保つことに役立つため、認知症の予防につながると考えられます。
笑いの健康効果
笑いには、脳の血流を改善し、脳を活性化させる効果があります。また、ストレスを軽減し、心身の健康を保つ効果もあります。これらの効果が、認知症のリスクを低下させると考えられます。
具体的には、笑いによって以下の効果が期待できます。
- 脳内のドーパミンやセロトニンなどの神経伝達物質の分泌を促し、気分を向上させる
- 脳内の血流を改善し、脳の活性化を促す
- ストレスを軽減し、心身の健康を保つ
笑いの具体的な取り入れ方
笑いの機会を増やすための具体的な方法としては、以下のようなものが挙げられます。
- 笑わせてくれる人と過ごす時間を増やす
- 面白い映画やテレビ番組を観る
- 面白い本や記事を読む
- 面白い音楽やポッドキャストを聴く
- 友人や家族と一緒にゲームやジョークをする
- 笑いヨガのクラスに参加する
笑いは、誰でも簡単にできる健康法です。毎日の生活の中で、笑いを意識して取り入れてみましょう。
まとめ
笑うことは、認知症の予防に役立つだけでなく、心身の健康を保つためにも重要なことです。家族や友人と積極的に会話するなど、笑いの機会を増やすことで、健康的な生活を送りましょう。
個人的な経験:
私は昔は非常に真面目な性格で、あまり笑わず、自分をとても真剣に受け止めていました。しかし、笑いは人生で最高のもののひとつであることに気づきました。笑う回数を増やすように心がけたところ、全体的な幸福度に大きな違いが現れました。今でははるかに幸せで健康的な人間になり、笑いは大きな役割を果たしたと信じています。
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