
どうも、いわさきです。
今回は、人物写真についてのお話です。
写真を撮るときの心構え
風景写真だけではなく、人物の写真でも同じような事が言えます。
相手の顔を見て感じたもの、相手の一瞬見せる象徴的な個性をとらえる事で、生き生きとした写真をつくる事ができます。
「あー、この人はいい顔をしているな」と感じたら、その感じを撮ればいい
「この人のこんなところがいいな」と思ったら、少し近づいてカメラを向ける
「この笑顔が最高だな」と笑わせてみるのも、ひとつの方法でもあります。
そんな心構えで撮ってみてください。
つまり、好奇心がそそられるそのままに、角度を変え、レンズを選択する(交換式カメラの場合)そうすると、写真が生きてきますよと私はいつも言っています。
正面からの写真だけではない
子供の顔を見て、目がきれいだな、かわいいなと思ったら、その目を強調する角度を見つけて撮ればいい。
顔でも表情でも、生きた子供の顔を撮らなくてはいけないのであって、正面から綺麗に撮るばかりが、子供の顔の写真ではない。
そんなのは、誰でも撮れるというか、あなただけが撮れるものではないから。
とにかく、人物写真撮るときは、被写体の個性を引き出すことが最も大事なことなんです。
きれいな記念写真を撮るなら多くの写真の教科書に載っているようにとればいいわけなんですが、その一方で、被写体の個性を強調する撮り方を考えてほしいです。
ユーサフ・カーシェという写真家
私が長く交際しているAさんという70歳台の人がいます。
この人の写真をいつも近くで撮るようにしていますが、Aさんという人格を表現するのに、Aさんを後ろから撮っても、Aさんだという「人間」は撮れるはず。
人の風貌と言うものは、後ろ姿からだって表現することができる。
例えば、世界的に有名な人物写真家であるユーサフ・カーシェが撮影した、偉大な芸術家、チェロ奏者のパブロ・カルロスの作品は、部屋の中でチェロを弾く後ろ姿を捉えています。
自然光は上部にある窓からの光だけで、撮影した作品です。

カルザスの内面を表現したとても素晴らしい作品です。ぜひご覧いただきたいです。
相手の次の行動を読む
最も取る表現法と言うのは、探せば絶対にあります。動作の癖とか、明とかいろいろその人らしい事柄があります。それを向き合った瞬間に飲み込んで、「パチっ」と撮ればいいだけ。
限られた時間の中で、その瞬間を捉えるのが、写真家の腕にあります。それをやれるのは、相手に対する洞察力、それによって相手の動きを読む、その読みが大切なんです。
生きた写真の撮り方
そうなるためには、私がAさんを撮るときには、まずAさんに惚れ込まなくてはいけない。
Aさんとの距離感がある状態で写真を撮ったら、遠慮したものしか撮れないのが現実です。
だから、相手を惚れ込んで、個性をつかみ、洞察力を働かせて、個性的な動きの瞬間をとらえる。
そうすると生きた写真が撮れるんです。
そんな写真を撮るという事は、被写体の個性が出ると同時に、撮った人間の個性もそこに出てきます。
撮った人が、どう感じて、相手をどう見たか、ということが写真に表現されてきます。
撮った人間が、被写体を語っているわけなんです。これが自分の表現というものです。
だから、写真は、相手の人物を私はこう見えていますよ。というメッセージ。
この角度からあなたを撮るという事は、私の心底から感じたことを表しているんですよ。というメッセージになります。
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