スポーツ、学習、仕事において、やる気の有無がパフォーマンスに大きな影響を与えることは広く知られています。しかし、意欲を引き出す情報を得るだけでなく、単に「成績が良い」と伝えるだけでも学習意欲が向上することが科学的に明らかになりました。
大阪市立大学の研究チームが行った実験では、成人男性20人に注意機能と作業記憶に関連する認知テストを実施しました。一部の被験者には実際の成績とは無関係に最高レベルの成績を提示し、別のグループには課題成績とは無関係な画像を提示しました。その結果、「成績が良い」と認識したグループは成績が保たれ、関係のない画像が提示されたグループでは成績が低下したことが分かりました。
この研究から、達成感や有能感を引き出す情報を提供することで、情報処理に関与する脳の領域が活発になり、結果として成績が向上する可能性が示唆されています。
子どもに対しては、成績の優れた分野について積極的にほめることが、学習意欲を高める一因となる可能性があります。同様に、ビジネスのマネジメントにおいても、スタッフの強みを強調し、ポジティブなフィードバックを提供することが、パフォーマンス向上に寄与するかもしれません。
参考：PLOS ONE – Recognition of Superior Performance Enhances Memory and PFC Recruitment
