「脳のピークは20代?」脳科学の定説として長年信じられてきたこの常識、実は間違いだったのかもしれません。
確かに、情報処理速度は20歳前後がピークであることは研究で明らかになっています。しかし、人間の認知能力は情報処理だけではありません。記憶力、感情を読み取る能力、語彙力、判断力、創造力など、様々な能力が存在します。
最新の研究で判明!年齢ごとの能力の「黄金期」
マサチューセッツ工科大学の研究チームは、インターネットを通じて約5万人分の認知テストデータを分析しました。その結果、各認知能力には異なる年齢でピークを迎えることが判明したのです。
- 情報処理速度:18~19歳
- 短期記憶:25歳
- 他人の感情を予測する能力:40~50代
- 結晶性知能(社会経験に基づく知能):60~70代
なぜ年齢によって能力のピークが異なるのか?
脳の各部位は、それぞれ異なる速度で発達し、成熟していきます。
- 前頭前野:20代後半まで発達が続く
- 海馬:20代前半でピークを迎え、その後緩やかに減少
- 扁桃体:思春期に急激に発達し、30代前半でピークを迎える
- 側頭葉:40代まで発達が続く
これらの脳部位の成熟時期が、能力のピーク時期に関係していると考えられます。
年齢ごとの能力の「黄金期」を最大限に活かす!
それぞれの年齢でピークを迎える能力を最大限に活かすことで、ピークを過ぎた能力を補い、総合的なパフォーマンスを向上させることができます。
- 20代:情報処理能力を活かして、新しいスキルを習得
- 30代:記憶力を活かして、資格取得やキャリアアップを目指す
- 40~50代:感情を読み取る能力を活かして、人間関係を円滑にする
- 60~70代:結晶性知能を活かして、豊富な経験と知識を活かした仕事や活動に挑戦
脳は生涯変化し続ける
研究結果から、人間の脳は生涯に渡って変化し続けていることが分かります。年齢とともに能力が低下するのではなく、それぞれの時期に適した能力を最大限に活かすことが重要です。
脳を活性化し、生涯成長するために
- 脳トレやパズルなど、脳を刺激する活動を取り入れる
- 十分な睡眠と栄養バランスのとれた食事を心がける
- 適度な運動をする
- 新しいことに挑戦し、好奇心を持ち続ける
これらの習慣を意識することで、脳を活性化し、生涯成長することが可能になります。
まとめ
「脳のピークは20代」という常識は捨てましょう。年齢ごとに異なる能力の「黄金期」を理解し、それぞれの能力を最大限に活かすことで、より充実した人生を送ることができます。
脳をたくさん使って、生涯成長し続けましょう!
参考
加齢に伴う処理速度の低下が、高齢者が経験する認知の広範な変化の根底にあると仮説が立てられています。私たちは、構造共分散アプローチを使用して、19 歳から 79 歳までの成人 42 人の処理速度に関連する年齢に関連した構造変化の基礎となる推定上のニューラル ネットワークを特定しました。加齢に伴う灰白質の変化が処理速度の低下につながる潜在的なメカニズムを特徴付けるために、我々は、加齢に伴う灰白質の変化と処理速度との関連に脳小血管疾患がどの程度影響を与えるかを調べた。脳小血管疾患に関連する灰白質と白質の変化の前部パターン、および灰白質と白質の変化の小脳パターンは、加齢に伴う処理速度の低下に独特に関連していた。これらの結果は、少なくとも 2 つの異なる要因が加齢に伴う処理速度の変化に影響を及ぼし、脳小血管疾患と小脳の形態の低下に影響を与える要因を軽減することによって速度の変化が遅くなる可能性があることを示しています。
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