他者の気持ちや様子に対して配慮ができたり、変化にすぐに気が付いたり。そうした社会性を育てる最初の第一歩は、多くの場合で家庭にあるといえます。
そのため、「子どもの社会性は親のしつけ次第」という認識が一般的でした。
しかし、実はしつけ以前の「赤ちゃん時代」に、社会性の育成は始まっていたことが、最近の研究によって明らかとなりました。
言葉も話せないうちからいったい何が赤ちゃんを導いているのでしょうか?
「母親の体臭」の驚くべき役割
それは、「母親の体臭」です。
イスラエルの発達社会神経科学センターが行った発表によると「母親の体臭は乳児と成人の脳の同期を強化する科学信号になっている」ことが分かった。
研究に参加したのは、母親と乳児75組。
母親が2晩着用した綿100%のTシャツを赤ちゃんの顔のそばに置いた状態と、匂いのない新品のTシャツを置いた状態の2パターンで見知らぬ人と接触させ、赤ちゃんの様子と脳波を観察しました。
母親の香りが社交スキルの基盤
結果、母親の体臭ありのTシャツを置いたときのほうが、赤ちゃんは見知らぬ人に対して視覚的注意と脳波の同期を増加させることが分かったのです。
つまり、母親の体臭の下にいるとき、赤ちゃんは他者への興味を強くし、共感を強くするということが判明しました。
赤ちゃんは、まだ母親の腕に抱かれているときから、非言語の社会性を密かに発達させていたことが分かります。母親の香りは、赤ちゃんにとっては社会との扉を開く重要なカギになっていたということですね。
お母さんが積極的に赤ちゃんを抱っこしながら人や社会を観察させてあげることで、対人協調性を養い、将来、社会で活躍するためのサポートにつながるでしょう。
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