暑い夏は、体温を下げるために血管が拡張し、血液の通り道が広くなります。その結果、血圧が下がりやすくなります。また、寒い冬は、体温を維持するために血管が収縮し、血液の通り道が狭くなります。その結果、血圧が上がります。
厚生労働省の調査によると、40~70歳の高血圧有病率は男性で6割、女性で4割にのぼります。30代男性でも5人に1人、40代男性では3人に1人が高血圧という衝撃的な結果も出ています。
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高血圧は認知症発症のリスクを高める
高血圧は、心筋梗塞や脳卒中などの血管疾患だけでなく、認知症発症のリスクも高めることが近年明らかになっています。
研究結果:高血圧が認知機能に与える影響
- 米国心臓協会の研究によると、高血圧があると、中年~高齢者の記憶力や集中力などの認知機能が急速に低下する可能性があることが判明しました。
- 中高年期に短期間の血圧上昇であっても、認知機能低下のスピードが速くなることが分かっています。
- 高血圧を放置すると、認知機能は急速に衰え、認知症のリスクが高まります。
高血圧は早期発見・早期治療が重要
米国心臓協会は、「どの年齢においても、高血圧を効果的に治療することで、認知機能低下の加速を防止できる」と発表しています。
今すぐできる、脳を守るための行動
検診で血圧に異常が見られたら、放置せず、医療機関を受診しましょう。医師の指導のもと、適切な治療を受けることで、認知症予防につながります。
高血圧治療以外にも、脳を守るための習慣
- 規則正しい生活習慣を心がける
- バランスのとれた食事を摂取する
- 適度な運動をする
- 禁煙する
- ストレスを溜めない
まとめ
高血圧は、脳の健康にも大きな影響を与えることが明らかになっています。
認知症予防のためにも、早期発見・早期治療を徹底し、生活習慣を見直しましょう。
参考
High blood pressure at any age, no matter how long you have it, may speed cognitive decline
研究では、高血圧が中年からの成人の認知機能低下を早めることが分かりました。高血圧がコントロールされている成人と比べて、高血圧がコントロールされていない成人は、記憶力や全体的な認知機能の急速な低下を経験する傾向があります。高血圧が始まる年齢に関係なく、効果的な治療が認知機能の低下を遅らせることが示唆されました。