この記事の結論
- 第6の習慣「シナジーを創り出す」は、お互いが少しずつ我慢する妥協ではなく、「2つの意見を掛け合わせて、ひとりでは出せなかった第3の案を見つける」という発想の話です。
- 違いを「どちらが正しいか」の裁判にすると消耗戦になりますが、「組み合わせたら何が生まれるか」の視点で見ると、写真・デザイン・文章などのコラボレーションは一気に楽になります。
- ビジュアルマーケティングでも、撮る人・書く人・売る人がそれぞれの強みを出し切れる場をつくることで、ひとりでは絶対にたどり着けない世界観や成果が生まれます。
どうも岩崎です。
今日は『7つの習慣』の第6の習慣、「シナジーを創り出す」を、写真とビジュアルマーケティングの現場に寄せて整理してみます。
シナジーというと横文字っぽくて少し距離がありますが、ざっくり言えば「自分ひとりでは出せないものを、違う人と組むことで一緒に生み出す力」の話ですね。

妥協ではなく「第3の案」を探すという発想
第6の習慣でコヴィー博士が強調しているのは、「妥協」と「シナジーは別物だ」という点です。妥協は、お互いが少しずつ我慢して、どこか中途半端なところで手を打つイメージ。一方でシナジーは、「AかBか」の二択ではなく、「AでもBでもないCを一緒に見つける」という発想です。
例えば、写真と文章の組み合わせを考えてみます。撮る側は「ビジュアルで語りたい」と思っている。書く側は「言葉でしっかり説明したい」と感じている。
このとき、「写真を小さくして文字を増やしましょう」とか、「文字を減らして写真をドーンと置きましょう」という綱引きになると、どちらかが我慢するだけになりがちです。
第3の案を探すなら、発想が少し変わります。
- 写真で世界観と感情を伝えるゾーン。
- 文章で構造と理由を説明するゾーン。
- 両方を短く掛け合わせた「一言キャプション」のゾーン。
こんなふうに役割を分けて「写真と文章が組んでいる構成」にすると、どちらかを削るのではなく、お互いの強みを出しやすくなります。これがまさにシナジーのイメージです。
違いを「裁判」にすると、シナジーは生まれない
シナジーが生まれないパターンはだいたい決まっていて、「どちらが正しいか」の裁判モードになるときです。
- 「デザインはもっとシンプルにすべきだ」
- 「いやいや、情報をちゃんと入れないと伝わらない」
- 「写真は自然光だけで撮るべきだ」
- 「いや、スタジオライトでしっかり作り込むべきだ」
どちらも自分の経験から出てきた意見なので、それぞれに理由があります。ただ、このモードに入ると、会話の目的が「より良い形を見つける」から、「自分の正しさを証明する」にすり替わってしまうんですよね。
第6の習慣は、ここで一歩引いて、「なぜその意見になるのか」「何を守りたいと思っているのか」をお互いに理解し合うところからスタートします。
- シンプル派の人は、「パッと見で伝わらないと離脱される」という経験をしている。
- 情報量派の人は、「細かい説明がないと問い合わせにつながらない」という痛みを知っている。
この背景まで分かると、「じゃあファーストビューはシンプルにして、スクロールした人にはしっかり情報を出そうか」など、第3の案が出やすくなります。
ビジュアルマーケティングの現場でシナジーを起こす3つのポイント
ビジュアルマーケティングの現場で、「シナジーを創り出す」を実務レベルに落とすと、こんなポイントかなと感じています。
- 役割をはっきりさせる
撮る人・書く人・設計する人の役割を言語化しておく。どこまでが自分の守備範囲で、どこから相手に任せるのかを先に決めておくと、口出しのストレスが減ります。 - ゴールを共通言語にする
「おしゃれな写真が撮れたらOK」ではなく、「誰に、どんな印象を持ってもらうのがゴールか」を共有する。ここが揃っていれば、多少やり方が違っても、最終的には同じ方向に収束します。 - 試してから判断する場をつくる
会議で勝敗を決めるのではなく、「両方の案を小さく試してみて、数字と反応で決めよう」というテストの場を用意する。感情ではなく、反応を一緒に見るスタイルにすると、対立が減ります。
特に写真と広告コピーの組み合わせは、どちらかが主役になりがちですが、「世界観の土台は写真」「行動を促すのはコピー」のように、役割を分けるだけでもシナジーが出やすくなります。
ひとりで頑張るより、チームで「掛け算」した方が早い
私自身、昔は「撮るのも、書くのも、設計するのも、できるだけ自分でやった方が早い」と思っていた時期があります。たしかに短期的には早いのですが、長く続けるほど限界が見えてきます。
逆に、撮影は私、コピーは別の人、全体の導線設計はまた別の人、という形で組んだときに、「自分ひとりの世界観では絶対に到達できなかったな」という仕上がりになることが多かったです。これがまさにシナジーだなと感じます。
第6の習慣は、「チームでやりましょうね」という一般論ではなく、「違いを足し算ではなく掛け算にしていく技術」を教えてくれている感覚に近いです。
明日は、最後の第7の習慣「刃を研ぐ」に進みます。自分という道具を使い続けるために、どうメンテナンスしていくか。写真やビジュアルの仕事との付き合い方も含めて、整理してみたいと思います。
ではまた。
P.S.
家ではまったくシナジーが生まれない場面があります。例えば、晩ご飯を決めるときです。
私「カレーが食べたいな」
家族「いや、今日はさっぱりしたものがいい」
ここで第3の案を探せばいいのに、「カレーか、それ以外か」の二択で押し切ろうとして、結局どちらも中途半端なメニューになりがちです。本当は「スープカレーにして、具材をさっぱり寄りにする」とか、いくらでもシナジーが作れたはずなんですけどね。
いわさき写真教室をもっと見る
購読すると最新の投稿がメールで送信されます。
