ビジネスや日常生活において求められるスキルの一つ、「達成力」。目標に向かって最後まで諦めずに取り組む力は、個人の成長において不可欠です。

ベストセラーとなった『GRIT やり抜く力』が注目を浴びる中、この「GRIT」はビジネスだけでなく、学習、スポーツ、健康維持、ダイエットなど、人生のあらゆる分野で必要な要素となっています。
しかし、「わかっているけどなかなか最後までできない…」「どうしても最後までやりぬくことができない」と感じる人も多いでしょう。そこで、脳科学的に「達成力」を高める方法を紹介します。
2020年に発表された科学技術振興機構と国立精神・神経医療研究センターの共同研究によると、「目標の細分化は脳構造の変化を促進し、目標達成を支援する」ことが明らかになりました。研究では、パズルの最後までやり抜くことを目標とした参加者に、目標を細分化した学習プログラムを適用。すると、やり抜く力が低いと予測された人でも、サブゴールを設定し、小さな目標ごとに達成感が得られるようにすると、最後まで達成できることが分かりました。
さらに、このプログラムに取り組んだ人は、他のプログラムに比べて「やり抜く脳」の指標である脳の「前頭極」に明らかな変化が見られました。
大きな目標も、サブゴールを設けて細分化することで、「やり抜く脳」を育てることができます。例えば、スライド100枚のプレゼン資料作成では、「今日はテーマを決めることをゴールにし、3日かけて資料を集め、次の3日で原稿を書く」といった具体的なステップに分けることで、取り組みやすくなります。
参考: 目標達成までの「やり抜く力」に関わる大脳前頭極の可塑性(PDF)
この研究では、東京大学と帝京大学の研究者が、脳画像を用いて「やり抜く力」を予測する手法を開発しました。前頭極の構造を調査し、「やり抜く力」の個人差を予測でき、目標の細分化が脳の変化を促進して目標達成をサポートすることも発見されました。この研究は、「やり抜く力」を科学的にサポートする新しい手法を提案し、学校やトレーニングなどの支援法の開発に役立つことが期待されます。
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