100年時代と呼ばれる現代において、老化は誰にとっても避けられない課題です。
しかし、老化に対する考え方によって、健康状態や寿命に大きな差が生じることが、カナダのブリティッシュコロンビア大学とアメリカのハーバードT. H.チャン公衆衛生大学院の研究グループによって明らかにされました。
この研究は、まさに衝撃的です。
今回は、老化を前向きに捉えることの重要性と、健康で長生きするための秘訣について詳しく解説します。

この研究では、50歳以上の約1万4,000人を対象に、
- 老化に対する満足度
- 身体的な健康
- 健康につながる行動
- 心理的幸福
の関係を4年間追跡調査したところ、驚くべき結果が得られました。
なんと、老化に対する満足度がもっとも高い人は、満足度がもっとも低い人に比べて、全死亡リスクが43%低いことが分かったのです。
つまり、
老化を前向きに捉える人ほど、健康で長生きするという驚くべき事実が科学的に証明されたと言えるでしょう。
なぜ、老化に対する満足度が高い人は、健康で長生きするのでしょうか?
その理由は、
- 慢性疾患のリスクが低い
- 認知機能が優れている
- 身体活動量が多い
- 睡眠障害が少ない
- 仲間が多く、楽観的でより強い目的意識を持っている
といった点にあります。
老化を前向きに捉える人は、
- 老化に伴う変化を受け入れ
- 新しいことに挑戦
- 自分の人生を積極的に楽しむ
という傾向があり、それが健康的な生活習慣や良好な人間関係につながり、結果的に健康寿命を延ばしていると考えられます。
一方で、老化に対する満足度が低く、老化によって健康が害されることは避けられないと考えている人は、
- 老化を抑制する行動を取ろうとしない
- 趣味がない
- 退職したら何をすればいいかわからない
- 老後は体の自由が効かなくなる
といった問題を抱えていることが明らかになりました。
このようなネガティブな思考は、
- ストレス
- 不安
- 無気力
といった悪影響をもたらし、健康状態を悪化させる要因となります。
では、老化を前向きに捉え、健康で長生きするためにはどうすれば良いのでしょうか?

研究グループは、
- 新しい趣味を見つける
- 家族のサポートや目的意識が持てるようなボランティアや環境問題の活動に貢献する
- 自分の価値観に合った何らかの計画を立てておく
ことが大切だと述べています。
老化は決してネガティブなものではありません。
新しい可能性や楽しみを発見する機会と捉え、前向きに過ごしていくことが、健康で長生きする秘訣と言えるでしょう。
参考
高齢化社会が進む中、健康と幸福を維持することは、高齢者だけでなく、社会全体にとって重要な課題です。研究者や政策立案者は、病気の危険因子から、人々の健康と幸福を増進する潜在的に修正可能な健康資産に焦点を移す傾向にあります。
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