ドーパミン、アドレナリン、セロトニンなど、脳には様々な神経伝達物質が存在し、情報の伝達役として働いています。これらの神経伝達物質は総称して「モノアミン」と呼ばれ、学習や睡眠、意欲や幸福感といった感情の働きに関与しています。
実は、このモノアミンの材料となるのが鉄なのです。 鉄が不足すると神経伝達物質の生成も十分に行われなくなり、脳の働きや発達に悪影響を及ぼします。
厚生労働省の調査によると、成人女性の鉄摂取量は推奨量よりも低く、子どもたちも十分な鉄を摂取できていない現状が明らかになっています。
鉄不足は産後うつ発症リスクの増加にもつながります。
学習や精神面への影響も考えると、子どもも大人も十分な鉄摂取が重要です。
鉄が豊富な赤身の肉や魚、貝類をしっかり食べることで、脳のパフォーマンスアップを目指しましょう!
鉄不足が脳に与える影響
- 神経伝達物質の生成不足
- 脳機能の低下
- 学習能力の低下
- 集中力の低下
- 記憶力の低下
- 意欲の低下
- 幸福感の低下
鉄を多く含む食品
- 赤身の肉
- 魚
- 貝類
- レバー
- 緑黄色野菜
- 豆類
- 海藻類
- 鉄強化食品
日常生活で意識すること
- 鉄分の多い食品を積極的に摂取する
- ビタミンCを含む食品と一緒に摂取すると、鉄分の吸収率がアップする
- ヘム鉄(動物性食品に含まれる鉄)と非ヘム鉄(植物性食品に含まれる鉄)を組み合わせて摂取する
- コーヒーや紅茶は鉄分の吸収を阻害するため、食後に控える
鉄不足が疑われる症状
- 疲労感
- 息切れ
- 動悸
- めまい
- 顔色が悪い
- 頭痛
- 脱毛
- 爪が割れやすい
これらの症状がある場合は、医療機関を受診することをおすすめします。
参考資料
- 国民健康栄養調査
- 成育医療センター調査
脳のパフォーマンスを向上させるためには、鉄分の摂取だけでなく、睡眠や運動、ストレス管理など、様々な要素をバランス良く取り入れることが大切です。
食事や生活習慣を見直し、健やかな脳を維持しましょう!